Japanese Listening Podcast
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UPDATE: Beginner level content coming soon! A podcast for intermediate to advanced Japanese learners. Classic Japanese stories narrated in natural Japanese to boost listening and comprehension. All transcripts are in the episode descriptions as a link and as plain text. Let us know what you'd like to see or what story you'd like to hear by emailing japaneselisteningpodcast@gmail.com! Support this podcast: https://anchor.fm/japaneselisteningpodcast/support

Kodama by Mori Ogai | 木精 森鴎外

巌いわが屏風びょうぶのように立っている。登山をする人が、始めて深山薄雪草みやまうすゆきそうの白い花を見付けて喜ぶのは、ここの谷間である。フランツはいつもここへ来てハルロオと呼ぶ。  麻のようなブロンドな頭を振り立って、どうかしたら羅馬ロオマ法皇の宮廷へでも生捕いけどられて行きそうな高音でハルロオと呼...
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"Goodbye" by Osamu Dazai | Chapter 2 変身(ニ)

変心(二) 田島は、泣きべその顔になる。思えば、思うほど、自分ひとりの力では、到底、処理の仕様が無い。金ですむ事なら、わけないけれども、女たちが、それだけで引下るようにも思えない。 「いま考えると、まるで僕は狂っていたみたいなんですよ。とんでもなく、手をひろげすぎて、……」  この初老の不良文士にす...
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"Goodbye" グッドバイ Chapter 1 | Henshin 変心 by Osamu Dazai

 文壇の、或ある老大家が亡なくなって、その告別式の終り頃から、雨が降りはじめた。早春の雨である。  その帰り、二人の男が相合傘あいあいがさで歩いている。いずれも、その逝去せいきょした老大家には、お義理一ぺん、話題は、女に就ついての、極きわめて不きんしんな事。紋服の初老の大男は、文士。それよりずっと若...
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White Camellia | Shirotsubaki 白椿 by Yumeno Kyuusaku

白椿 夢野久作  ちえ子さんは可愛らしい奇麗な児でしたが、勉強がきらいで遊んでばかりいるので、学校を何べんも落第しました。そしてお父さんやお母さんに叱られる毎ごとに、「ああ、嫌だ嫌だ。どうかして勉強しないで学校がよく出来る工夫は無いかしらん」と、そればかり考えておりました。  ある日、どうしてもしな...
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The Immortal | Sennin 仙人 by Akutagawa Ryuunosuke

仙人 芥川龍之介  皆さん。  私わたしは今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。  昔、大阪の町へ奉公ほうこうに来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊奉公めしたきぼうこうに来た男ですから、権助ごんすけとだけ伝わっています。  権助は口入くちいれ屋やの暖簾のれんをくぐると、...
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Christmas Gift | Kurisumasu no okurimono クリスマスの贈り物 by Yumeji Takehisa

クリスマスの贈物 竹久夢二 「ねえ、かあさん」  みっちゃんは、お三時やつのとき、二つ目の木の葉パンを半分頬ほおばりながら、母様にいいました。 「ねえ、かあさん」 「なあに、みっちゃん」 「あのね、かあさん。もうじきに、クリスマスでしょ」 「ええ、もうじきね」 「どれだけ?」 「みっちゃんの年ほど、...
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